アフタームービー制作ノート (追記あり)

こんにちは、実行副委員長の立花です。

公開以来、大好評の WordCamp Tokyo 2018 アフタームービーはもうご覧になりましたか?
コントリビュータデイの真剣さ、セッションデイの熱気、アフターパーティの楽しさが伝わる素晴らしい映像になっています。是非、ご覧ください。

この記事ではアフタームービー制作の裏側を紹介します。

動画班のみなさん、ありがとうございました。

アフタームービーの撮影は、Mikoshi Japan, Inc. の戸田秀成さんと金子燎之介さん、そして、井上翔太郎さん、清野奨さんが担当しました。井上さんは WordCamp 男木島のアフタームービーも手がけられた方ですね。また清野さんは今回のアフターパーティの企画責任者でもあります。

編集は、Mikoshi Japan, Inc. のお二人、戸田さんと金子さんです。お二人にはこのアフタームービー制作と並行して、セッション動画 37本 88.86GB分のポストプロダクションも担当いただきました。こちらも wordpress.tv にて徐々に公開されていますので定期的にチェックしてください。動画前後のタイトルだけでなく、右下にロックわぷーの透かしが入っているのもご注目です 🙂 (更に、補足すると wordpress.tv への公開作業は、コントリビューターデイで「動画字幕」班のリーダーを務められた林 雅也さんが行っています。ありがとうございます。)

以下、アフタームービー制作の詳細について戸田さんに伺いました。

使用機材

今回使用した撮影機材のリストです。

【カメラ・レンズ】

  • SONY α7RIII
  • SONY α7III
  • SONY α6500
  • SEL2470Z
  • SEL2470GM
  • SEL1635GM
  • SEL70200G
  • SELP18105G

【一脚・ジンバル】

  • dji Ronin M
  • Zhiyun Crane Plus
  • Zhiyun Crane2
  • Sirui P324S (一脚)

【マイク etc.】

  • Rode VideoMic Pro
  • Rode VideoMic Rycote
  • Rode VideoMicro
  • TASCAM DR-10L (ピンマイク)

編集には Apple社の Final Cut Pro X (FCPX) のみを使用しています。
音楽は2日間の開催だったということを明確にメリハリづけるために、2曲使用しています。

dji Ronin M & SONY α7III + SEL1635GM で撮影中の戸田さん
(Photo By Atsuko Suzuki)

撮影にあたっての方針

今回は主に3名(戸田さん、金子さん、井上さん)で撮影するため、あらかじめ設定を決めました。

  • Full HD or 4K
  • 24fps
  • ISOは500〜800あたり、パーティーは1600、いっても3200

24fpsは主に映画などで使用される設定であり、よりシネマチックでダイナミックな映像に仕上げることができます。逆に30fpsや60fpsだと、ホームビデオ感が出てしまうことがあります。

撮影にあたっても段取りを決めています。

  • ジンバルを2名、そして一脚を1名
  • ジンバル担当は担当する会場を割り振り、「臨場感」を大切に
  • 一脚担当は全会場をまんべんなく
  • 70mm-200mm(望遠レンズ)を使用して、登壇者を抜くカットは一脚で

動画の構成について

今回は運営サイドから「5分以内に収める」「セッションの動画を5割」というリクエストがあったため、まずそれを念頭に構成を検討しました。ちょっと捻った編集をしようかとも思いましたが、時系列に

1日目のコントリビューターデイ -> 2日目のセッションデイ -> 2日目のアフターパーティー

としたほうが綺麗、かつ、分かりやすいと判断し、その順番でいくことにしました。

コントリビューターデイは、みんな黙々と PC とにらめっこしていたため、私(戸田さん)の方でちょっと声掛けして、何の班なのかをカメラに向かってしゃべってもらい、最後にウェーブを依頼。これによって「楽しさ」を演出しています。

セッションデイは、セッション中の動画はジンバルを担当した2名が会場の全体や参加者が真剣に聞いている様子をメインに撮り、一脚使用時は登壇者のバストアップを抜きました。
全セッションのバストアップを映像内に組み込むことにより、どんな方が登壇しているのか、そしてどれだけの人数が登壇しているのかがわかるようにしました。
またスポンサーブースツアーに同行して、スポンサー様が説明している様子などを撮影して映像に組み込むことも、今回は大事にしました。

映像内には実行委員長、登壇者2名、スポンサー様1名のインタビューも入れました。これは、映像だけではなく、音声有りでも楽しめる映像を作りたいという思いがあったためです。実行委員長のインタビューでは今年のテーマについて語ってもらう形式にすることで、なぜ「Challenge!」だったのかがわかるようにしました。

アフターパーティーについては、「盛り上がってる」「楽しい」「人が多い」を念頭に、みんなが踊っているシーンや DJ のシーンを多めにしました。井上さんが参加者に、カメラに向かって「W」のポーズをしてもらうシーンを撮ってくれていたので、それをふんだんに使用し、最後には「日本らしく」一本締めしているところで終了します。

映像の冒頭には東京らしいシーンを組込みたかったため、「東京らしさ」を求めて、ひたすら街へ繰り出しました。
「渋谷の交差点」はけっこう世界的にも有名なので人々が渡っているシーンを。
「来場する」というメッセージを込めるためにも人々が渋谷ヒカリエへ入店するシーンを差し込み、
日本といえば鉄道、ってな感じもあるので、鉄道のシーンをいくつか。
1日目と2日目との間には、メリハリをつけるためと、音楽が変わるため、そのつなぎとして「東京駅」の夜景。

東京タワーの夜景を入れようという案もありましたが、動きがなく、また撮る場所が難しいことなどから断念しました。できればドローンカットが欲しかったところです。

【撮影スポット】

  • JR東京駅 (夜景)
  • JR新宿駅 山手線ホーム
  • JR渋谷駅スクランブル交差点
  • 東京メトロ 銀座線 渋谷駅
  • 渋谷ヒカリエ

記録メディア

WordCamp Tokyo 運営サイドから 128GB の SDカードを提供して頂きましたが、2日目のセッション中の撮影だけでいっぱいになる状況でした。

このため1日目のコントリビューターデイ後、2日目のセッション後、2日目のアフターパーティー後の3回に分けて、SSD と HDD にバックアップしました。

WordCamp Tokyo 終了後、トータル約 500GB のフッテージを確認し、抜け漏れのチェック後に、編集作業に入りました。

編集


いざ編集となると、全部のフッテージや素材を FCPX に読み込むのですが、整理されていないと訳が分からなくなるため、以下のようにまず HDD 内部で整理し、ファイルの名前を変更しました。
[HDD]
WordCamp Tokyo 2018
+-Day 1
___ α7RIII
___ α7III
___ α6500
+-Day2
___ α7RIII
___ α7III
___ α6500
+-AfterParty
___ α7RIII
___ α7III
___ α6500
+-Tokyo
___ α7RIII
+-Assets(ロゴなど)
+-Music

時系列ごとに1から通し番号に名前を変更することにより、あとでチェックする際に「68番のフッテージより、90番のほうが良くない?」と作業しやすくなります。

このあと金子さんが編集と、少量のカラーグレーディングを実施。


編集中の金子さん

私のほうに戻ってきて、カット割りを変更するなどを数回繰り替えして、最後に実行委員に確認してもらいました。

また、今回のアフタームービーは、

  • 来場者にも見てもらいたい作品
  • 今回来れなかった人にも見てほしい作品
  • 海外の方にもWordCamp Tokyoに来たい、と思ってもらえる作品

を作りたいということがあったので、「字幕なし版」「日本語字幕版」「英語字幕版」の3タイプを作成しました。

こんな流れで出来上がった今回の WordCamp Tokyo 2018 のアフタームービー。

2日間で撮影したトータル約500GBものフッテージを、4分半に凝縮しましたが、その分、かなり見応えのある作品になりました。ぜひ、Youtube上の高画質でご覧ください ^_^

追記 – アフターパーティ会場の映像も動画班でした!

WordCamp Tokyo 2018 のアフターパーティ会場で流れていた映像は、上にも登場した金子さんの作品です。飛翔するロゴとロックわぷーが会場のレーザー光線とマッチし異様に盛り上がりました。こちらもぜひご覧ください。

※ 映像は無音です。